大気化学・Atomospheric Chemistry
琉球大学 島田研究室
Univercity of the Rykyu Shimada Labo
島田幸治郎
Kojiro Shimada
みなさん、お医者さんの職業は知っていると思いますが、アースドクターという仕事をご存じでしょうか?この仕事内容は地球の予防医療になります。予防医療の目的は、病気の予防だけでなく既に発症した病気の進行を遅らせたり、再発や他の病気の併発の防止です。近年、地球温暖化によって森林火災や洪水など自然災害が多発しています。その災害の中でも私達の研究室では大気汚染に注目をしています。大気が汚染されると地球の健康状態が悪くなります。その結果、地球の健康状態が悪くなった地域では環境汚染だけでなく人への健康被害も生じています。その地域には日本も含ます。私達は、東アジアや東南アジア諸国と国際共同研究を通じて地球だけでなく、人も含めた予防医療を目指しています。大気汚染物質は洪水など引き起こす雲を形成したりします。または温暖化も引き起こしたりと気候変動に影響を与えます。また大気汚染物質の中でもPM2.5は人へ肺癌、脳梗塞、心筋梗塞や最近では抑うつなどの病気を引き起こすと言われています。PM2.5は1万種類以上の化学物質で構成されており、環境問題の中では最もリスクが大きく、世界中で年間、約900万人が亡くなっている要因だと推定されています。沖縄には国連機関の一つである国連環境計画から認定された沖縄辺戸岬大気・エアロゾル観測ステーションがあります。この大気観測ステーションは日本で沖縄にしかなく、さらにアジアを代表する大型観測所として有名です。私達はこの大気観測ステーションで東アジア諸国と大気観測を協力して、地球や人の予防医療に関する研究を行っています。特に私達の研究室では、長距離輸送される間にPM2.5中の化学成分の化学変化を調べています。長距離輸送中に毒性がなかった成分が、大気中での化学反応によって毒性が高い物質に変化をします。この化学変化を調べることで「健康予報」に貢献をしています。この「健康予報」をするためには地上での大気観測だけでなく、衛星からの大気観測なども行いAIやシミュレーションモデルを使って「健康予報」を行います。
https://chem.sci.u-ryukyu.ac.jp/laboratory/shimada/
↑琉大研究室紹介です。
研究業績一覧
https://researchmap.jp/7000019703
↑Research Map
https://scholar.google.com/citations?user=bB2F7vUAAAAJ
↑Google scholar
https://www.researchgate.net/profile/Kojiro-Shimada
↑Resarch Gate
最近の活動
Our activities
東アジアへ訪問し研究発表を行いました!!
2024/09/23~09/29
韓国:梨花女子大学
北京:環境科学院大気物理研究所
香港:香港理工大学
台湾:国立台湾大学
初めてのこと尽くしではありましたが、なんとか4つの地点でそれぞれの研究発表をすることが出来ました!
お疲れ様でした!
詳細はインスタグラムをご覧ください!
第65回大気環境学会において学生2名が口頭発表を行いました!
2024/09/11~09/13
場所:慶応義塾大学 日吉キャンパス
2人とも学部生での発表となりましたが、堂々と発表することが出来ました!
お疲れ様です!
詳細はインスタグラムをご覧ください!
主な研究
Main Research
「大気汚染」×「医学」を繋げた
AIoTによる新しい予防医療の創出
Creationof new preventive medicine using AioT that connects “air pollution” and “medicine”
本研究は科学技術振興機構のSICORP戦略的国際共同研究プログラムに採択されました。今後3年間は国立台湾大学 環境工学大学院 教授 蕭 大智のグループと国際共同研究を実施します。「環境科学」×「医学」のAIoT開発から新しい予防医療をつくることが目的です。日本側の研究グループは琉球大学がリーダーとなって神戸大学医学分と国立環境研究所で研究グループを作りました。 本研究は、地球温暖化による環境汚染が原因で発病すると報告されている健康被害を解決するために「環境科学」×「医学」のAIoT 開発を目的としています。具体的には、台湾側チームはPM2.5センサーネットワーク、衛星データ、大気質モデルなどの大気汚染データをAIoTに組み込みます。次に、森林火災などの大規模大気汚染物質の到達時間と濃度を予測するディープラーニングシステムを構築します。日本側チームは大気汚染との関連が報告されているアテローム性心筋梗塞、うつ病、肺がん、乾癬フレアなどの病気の疫学調査データをAIoTに読み込ませ、さらにディープラーニングシステムを構築します。また、日本側チームは細胞試験により大気汚染と病気の関連性を調査します。この新しいAIoTによって病気の重症化率が低下する事で、医療介護費や社会保険料の低下が見込まれ、社会保障制度の破綻を回避できると考えられます。そこで、両チームによる共同研究を通じて新しい予防医学の創出に繋がる事が期待されます。
(下記に本プロジェクトが記科学技術振興機構のURLを記載します)
葉の表面に付着したエアロゾルの光分解によるイソプレンの放出
Development of a method for measuring isoprene generated by photodegradation of "plant grime"
近年、地球温暖化により気候や森林生態系に異変が生じています。森林は気温が上昇すると自己防衛ため、周辺の気温を下げる効果がある植物起源揮発性有機物(BVOCs)を放出する働きがあります。しかし気候変動予測シミュレーションモデルではBVOCsと大気観測値に大きな乖離がありモデルによる再現性が乏しいのが現状です。その原因の一つとして、私達はBVOCsから光化学酸化反応によって生成した二次有機生成エアロゾル(BSOA)の沈着場が光分解の反応場となりイソプレンが発生しているのではないかと仮説をたてています。沈着するBSOAを「植物の垢」と名付け、光分解によって発生するイソプレンの生成量を検証します。
本研究は令和5年度 文部科学省 科学研究費補助金 学術変革領域研究(A)植物気候フィードバック(公募班)の
有機エアロゾルの光分解による活性酸素種の解析
Analysis of reactive oxygen species by photolysis of organic aerosols
疫学調査と細胞実験の結果の矛盾を解決するためには、「何を見落としている」のだろうか。大気環境問題に関するこれまでのすべての細胞試験研究は、光が無い暗反応下での実験に限定されてきた。これまで環境問題による健康被害は、PCB として知られているポリ塩化ビフェニルの難分解性の有機物や有鉛ガソリンなど、化学変化が生じにくい化学物質であった。しかし、大気中で生成されるSOA は化学反応性が高いため、紫外線によるSOA の光分解によってROS の生成速度は高くなる。紫外線は体内へと透過する。つまり「体内におけるROS の反応場の見落とし」である。申請者は以下のような問いに答えるための研究を提案することにした。
「体内に取り込まれたSOAは、体内を透過する紫外線によって光分解されることにより、従来の暗反応よりもROS生成プロセスの数が増加することで、ROSの生成速度が促進されているのではないか?」本研究の構想では、従来の手法では実現不可能な「疑似太陽光で再現した真夏の季節における体内でのSOAの光分解によるROSの生成速度を測定する装置開発」と「ROSの前駆体となっているSOAの同定と光分解の素過程の解明」に挑み、疫学調査や細胞毒性試験の矛盾する謎を解き明かす。
長距離輸送される有機エアロゾルの化学的変質の解析
Analysis of chemical propaties of organic aerosols during long-range transport
我が国では、ここ数年来、中国から日本へ移流する越境PM2.5の健康影響が懸念されている。越境汚染物質中の二次生成有機エアロゾル(SOA)の組成は、室内実験の結果から大きく2つの議論にわかれている。1つは、SOAはオリゴマーやフミン様物質のような比較的分子量の大きい難分解性の有機物が主要成分であり、長距離輸送中に生成される。もう一つは、オリゴマーやフミン様物質は輸送中に光化学酸化反応などによって分解が促進され低分子化し、さらに分解副産物も生成するというものである。そのため本研究では、東アジアの国際共同観測ネットワークを活用し、上記2つの実態を解明することで健康被害の改善を目指す。本研究となった前進となった研究が論文賞を受賞しました。琉球大学のHPでりあげられました。
https://www.u-ryukyu.ac.jp/news/57884/
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-22K12358/長距離輸送される有機エアロゾル生成におよぼす酸性度変化の評価
Evaluation of the Impact of Acidity Changes on the Formation of Organic Aerosols Transported over Long Distances
長距離輸送中での有機エアロゾル(SOA)の生成には、酸触媒反応が関与するという室内実験の報告がある一方で、関与しないという報告もある。本研究では中国Tuoji島、長崎、沖縄辺戸岬で多点観測を行い、長距離輸送に伴うイオン成分濃度変化、酸性度変化を解析することでSOA生成に酸触媒が及ぼす影響を解明する。
本研究となった前進となった研究が論文賞を受賞しました。琉球大学のHPでりあげられました。
メンバー
Member
島田幸治郎
琉球大学 理学部海洋自然科学科化学系 助教授
研究業績一覧
https://researchmap.jp/7000019703
↑Research Maphttps://scholar.google.com/citations?user=bB2F7vUAAAAJ
↑Google scholarhttps://www.researchgate.net/profile/Kojiro-Shimada
↑Resarch Gate石川栄作 M2
もう、あっという間にM2ですが、まだまだ学生を楽しみたいと思います!
大保元輝 B4
高校生のときの惰性で走ってきた今までの大学生活。その分を取り返すようにこの一年全力で頑張っていこうと思います。
北條就三 B4
最近少し太ってきたのですが、バトミントンも続けているので、もう少しで瘦せます!
小牟田ニキータ B3
大気化学の深さを知らないやつ、知ろうとしたことがないやつ、まじで危機感持った方がいい。そりゃモテないって。足りないって、男(女)としてのパーツが。
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Instagram: shimada.labooo(学生が運営)https://www.instagram.com/shimada.labooo/
kojiro_shimada(島田が運営)https://www.instagram.com/Kojiro_Shimada/
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